東京カンテイ 市場調査部
上席主任研究員
中山登志朗さん
出版社勤務を経て1998年より現職。不動産市況全般の調査・分析を担当、市況レポート『kantei eye』編集長。新聞、雑誌、テレビなどに数多くの原稿、コメントを提供
東京都内のマンションは高くてちょっと無理…。そんな人が次に購入エリアの候補として考えるのは、通勤圏内の神奈川、埼玉、千葉。その中で今回注目したいのは近年、新築マンション購入者の伸び率がアップしている千葉県。人気が上昇している理由はいったい何? 千葉県のマンションの魅力を徹底検証します。
※「2007年首都圏新築一戸建て契約者動向調査」(リクルート)より

首都圏の中でも、割安で広め、そして駅近の物件が手に入る千葉!
どのエリアでマンションを購入したのか、2001年から2007年の首都圏都県別の新築マンション購入者の割合を比較すると、東京都および神奈川県はマイナスであるのに対し、千葉県、埼玉県は明らかに新築マンション購入者の伸び率が増加しています。中でも千葉県は約10%の伸び率。その理由は…と、購入者の声をみると、その背景には「価格」「広さ」「通勤」「駅からの距離」という千葉の物件のメリットが浮かび上がってきます。
「千葉の物件、ここが魅力!」
- 4LDKなので、子どもができてもそれぞれの部屋が確保できる。(女性・31歳)
- 広々とした空間がほしかったので100m²は確保したかった。(男性・29歳)
- 都内までの通勤に1時間しかかからないのに、千葉県は神奈川県、埼玉県より価格が安かった。(男性・29歳)
- 駅徒歩約1分で、車を使わなくてすむ。(女性・31歳)
- 勤務地まで約1時間かかるが特急の始発駅なので座って通勤できる。駅から徒歩1分かからず、スーパーまでは徒歩約5分。車で10分ほど行けば商業施設もある。(男性・29歳)
- 共働きなので、乗り換えの少なさ、駅からの距離など通勤アクセスのよさを考慮した。(男性・29歳)
※リクルート住宅情報ナビ 2008年6月調査より
駅に近い物件の供給数が多いので、ねらい目!
千葉県の物件を購入する人が増えてきているひとつの理由として、千葉の物件の平均坪単価が低いことが挙げられます。
※ 東京カンテイ調べ
各地域で多少ばらつきはありますが、浦安、千葉県中心部、中間地点の船橋市、常磐線沿線の松戸市、我孫子市あたりは価格が安定しています。都心部にダイレクトアクセスが可能な沿線のある行政区では、今後もコンスタントな開発がある見込みですが、金額の大幅な変動はないと思われます。

※千葉県内で価格が安定しているのは浦安市、千葉市中心部、中間地点の船橋市、常磐線沿線の松戸市、我孫子市。
※今後、千葉県内では価格の下落傾向が強まる可能性。しかし、都心部にダイレクトアクセスが可能な沿線のある行政区ではコンスタントな開発があり、価格の大幅な下落はないでしょう。
※ 東京カンテイ調べ
また千葉県は、浦安地域など一部の物件を除けば、駅から徒歩約5分以内といった駅近物件も多く、通勤に便利という点で購入動機のひとつになっているといえるでしょう。たとえば、最寄駅から通勤先まで電車で40分だけれど駅まで徒歩15分以上かかる物件と、電車は1時間かかるが駅まで徒歩5分以内という物件。毎日の通勤を考え、自分にとってどちらの利便性がいいのかを見極めることが大切でしょう。もし駅近物件を望むのであれば、千葉県は駅前再開発の余地はまだあるため、これからも駅近の新築物件が出てくる可能性があり、おすすめのエリアだといえます
千葉県には“理想”の物件が多い!?
物件を検討する際に重視する項目をみると、1~4位は「価格」「最寄駅からの距離」「住戸の広さ」「間取りプラン」。これらの項目は、理想のマンションの条件、ともいえるでしょう。そして実際に購入する際に決め手となった項目は? 実は千葉県の物件を購入した人の決め手となった項目の1~4位だけが、重視する項目の1~4位と合致! ということは、千葉県には“理想”の条件を満たす物件が多い、ともいえるかもしれません。

“ライフステージ、ライフスタイルの変化に対応しやすい千葉県の物件
「価格」「駅近」「広さ」「間取り」、千葉県には、購入者の希望を満たす物件が多いですね。千葉県は坪単価が首都圏の他のエリアに比べて安いため、相対的に広めの物件が手に入る優位性が高いといえます。広めの物件を購入するメリットはいろいろ。千葉県内は比較的価格が落ち着いている地域が多く、これから家庭を築いていこうという若い世代の人たちにとって魅力的な割安な物件が多いことが特徴として挙げられます。
たとえば、シングルの人には通勤も比較的便利なうえ、結婚後もそのままそこで新生活を始めることができるでしょう。子どもが生まれても、住み替えの必要なく住み続けることが可能です。ファミリーの場合も、子どもが増えたときや、将来的に親と同居の必要が出てきた場合なども、十分な部屋数が確保しやすいでしょう。DINKSでそれほど広さが必要ない場合には、都内に比べて大幅に予算が抑えられることがメリットといえます。共働きにとっては通勤に便利な駅近物件が多いことも魅力です。
また最近の広めの物件では、7mを超える幅のワイドスパンの住戸が増えています。これにより間取りのバリエーションが豊かになり、暮らしやすさも格段にアップ。そういった面からも、千葉県の物件は転売をして資産価値を求めるというよりも、終の棲家に向いているといえます。
このように千葉県は、ライフステージやライフスタイルの変化に対応しやすい物件をリーズナブルに購入することができる、というのが魅力ではないでしょうか。
構成·取材·文/eSampo.com イラスト/トリゴエモトコ
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